アニメ『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』を見てハマったので見どころを紹介する

またしてもタイトルが長い





今月から始まった、アニメ『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』を見たらえらい気に入ってしまったので、そもそも見たことないしどんなもんかもわからんという人向けに、ちょっとでも興味を持ってもらえるようにどんな作品なのか簡単に話をします。


ストーリーと作品の雰囲気
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地上を正体不明の怪物である〈獣〉たちに蹂躙され、
人間を含む多くの種族が滅ぼされた後の世界。
かろうじて生き残った種族は地上を離れ、
浮遊大陸群(レグル・エレ)と呼ばれる空飛ぶ群島の上に暮らしていた。
500年後の空の上で目覚めたヴィレム・クメシュは、守りたかったものを守れず、
それどころか自分一人だけが生き残ってしまった絶望から世捨て人のような生活を送っていたが、
思いもよらず始めた兵器管理の仕事の中で、ある少女たちと出会う。
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以上、公式からの引用です。
初見だとかなり意味不明な単語が乱舞していますが、これはきちんと作品の中で整理をされます。とりあえず、なんか主人公が女の子と会うことで物語が始まるという、ライトノベルとしては割とよくある導入です。
作品の雰囲気を掴んでもらうために、少しだけネタばらしをするとその「少女たち」が〈獣〉と戦う使命を帯びた特別な存在として生きています。
この少女たちはある理由で基本的に短命であり、生に対する執着も少なく、長く生きることは出来ません。ヒロインのクトリも15歳ながらあと少しで死ぬことがほぼ決まっています。



コレも作品の雰囲気を掴んでもらうために少しネタばらしをしてしまうと、彼女たちの運命はほぼ決まっています。なので、決して長生きして幸せな結末を迎えるために努力をして、それを掴み取るという物語ではありません。
また、〈獣〉と戦うだのなんだのと言っておきながら、案外バトルのためのバトルシーンはありません。この作品のミソは、運命や結末が見えているからこそ、残された日々にどんな意味を見出すのか。生きる理由とはなんなのか。家に帰る理由は必要なのかどうか。そういった心の部分に強くフォーカスをあてて、そこを表現することに力を入れています。
また、この作品はいわゆる「死亡フラグ」というフィクションにおける定型にちょっとした問題提起をしているようにも感じます。それぞれのキャラに、戦いに行くための理由や死んでもいいと思う理由、逆に死にたくない理由と言った様々な感情が描かれています。しんでほしくない人が死ねばたしかに悲しいが、そんな理由で殺される方はたまったもんじゃない。そんな世界は間違っている。
こんなふうなメッセージが感じられる作品になっています。ただまあ、さっき書いたとおり、クトリを始めとした少女たちは短命ってのはどう頑張っても動かないんですけどね…つまりまあその、そういうことです…ふふ…


ライトノベルとアニメに於ける媒体の違いをどう解消するか

ラノベのアニメ化がにおいて、作品の魅力を伝えられない状態と言うのは幾つか理由が考えられます。その最たる理由の一つが、ライトノベルとアニメの媒体の違いからくる壁を超えられない。あるいは克服しきれないことです。
ライトノベルは文字。アニメは絵。つまり、表現することにおいての得意分野が全く違います。これを考慮せずにただセリフだけなぞっても、作品の良さはまず伝わりません。
さて、では今回話しをしている『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』はどうかというと




1話は原作者が脚本を担当しています。また、それ以外に関しても、セリフではなく絵や動き
、あるいはちょっとした描写や台詞回しで原作のエッセンスがしっかりと伝わるようにかなりディレクションがされているなと感じます。
端的に言って、すごく見応えがあります。もちろん、原作を読んだ上で見るとさらに情報が込められているのがわかるようになっています。
私も一話を見てから大急ぎで原作を買って、その上で見直すと…んあー!!こまかい!めっちゃこまかい!!と結構感動しました。先々に明かされることの伏線もしっかりと蒔かれているので、アニメだけの人も見直す機会があったらぜひ気をつけながら絵やセリフに気を配ってみてください。
背景美術とかめっちゃきれいなんすよ…そこも見てほしいですね…


音楽
めっちゃ良いんですよ。おわり。

というわけにもいかないので、あくまで感想ということで話をすると、これも作品の雰囲気に合わせた、どこか懐かしい雰囲気の民謡をイメージした曲が多いように感じます。と言うか、1話でもろに「Scarborough Fair」が使われてますね。どういう曲かはぐぐってください。作品の雰囲気にマッチした選曲であり、今後の展開をモロではないにせよ、暗示している歌詞でもあります。
実のところ、私自身この作品における音楽は良いものですが、決してガン推しするような売りポイントではないと思っています。大事なのはストーリーであり、音楽はあくまで、それを伸ばすためのポイントとして使われているように感じます。
でもそれでも良いと思うんですよね。全部に死ぬ気で力を入れる必要はないというか、本当に見せたいところはどこなのかを意識した結果、ベストな選択であれば、それでいいと思いますし。

んですがぁ!?

OPとED主題歌!!こちらはもう!!聞いて!!ぜひ聞いて!!





どちらも作品のために作られたんだなというのがよく分かる歌詞になっていて、やや重苦しい雰囲気を表現しているOPと、それでもやっぱり最後は「おかえり」を言いたいよねというED
どちらも素晴らしい曲です。って言うかMVが若干コラボしてるし。最高か。



色々書きましたが、実は私もまだ今時点では原作を途中までしか読んでません(自白)
現在放送中のアニメでもしかしたら最後までやるかもしれない1部が全5巻であり、今4巻まで読み終わりました。最後を開くのめっちゃつらいですが、頑張って結末に向き合うために読みます。

ということで、いかがだったでしょうか。まあ少しでも興味を持っていただけたら幸いです。