空に向かって咲く、蓮の花たちの道行きに幸あれ
皆さんこんにちは。
ついに発売されましたね。
あの大人気シリーズ「ラブライブ」から最新作、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのデビューミニアルバム「Dream Believers」の話です。
なんのこっちゃという方のために、とりあえず動画を2つ貼ります。
せっかちな方はそれだけ見てもらえばあとはもう帰ってもらって大丈夫です。
はい。ということで、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのスマートフォンアプリのOPと、デビューミニアルバム「Dream Believers」の全曲試聴動画をご覧いただきました。忙しい方はもう帰ってもらって大丈夫です。
もう少しだけお付き合いいただける方は、ちと長くなるかもしれませんがそのままお付き合いください。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブとは、4月にリリース予定のスマートフォンアプリ「Link!Like!LoveLive!」に登場する、キャラクターたちのことです。
アプリ自体がリリース前のため、詳細はまだまだ分からない部分もありますが、すでに判明している情報では
「メンバーたちの”いま”にアクセスできる」
「365日を刻んでいくカレンダーシステム」
「アプリでの生配信」
など、これまでにあまり聞いたことのないキャッチコピーがところどころに登場してきます。
アプリの話を今あれこれ想像しても詮無き事なので、早速本題に移りましょう。
「Dream Believers」から感じる『いま』と『蓮』
さて、今回は上の見出しのとおり、デビューミニアルバム「Dream Believers」の表題曲である、「Dream Believers」がとてもよかったという話になります。
実際、皆さん聞きましたか?え、まだ?
各種サブスクで配信してますので、ちょっとフルで聞いてきてみてください。
この曲を聞いたうえで強烈に感じるのは、作品のテーマにもなっている
『いま』
というキーワードです。歌詞の中にも何度も「いま」という単語が出てきます。何度も、と言いつつ、サビにしか出てきてないような気もする…あ、やっぱそうですね。
サビといわゆる落ちサビ以外に「いま」という単語は出てきません。この歌詞の構成を「あの畑亜貴大先生」が書いた歌詞においてまさか偶然とは思えませんね…
さて、さらにもう一つ。
最初にもありましたCDジャケットとCDの盤面に注目したいところがあります。
この作品のキャラクターたちは蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブと名乗っているにもかかわらず、デビュー作のジャケットや盤面に蓮の要素は一つもなく、ちょうどリリース時が桜満開の時期であったことや、はじまりの作品であることも意識してか、桜の要素を全面に押し出しています。
個人的にここも大変示唆的だなと感じており、後述する『蓮』の要素とも絡むのですが、またしても『いま』を大事にしているアルバムだと思います。
『蓮』という花は早朝に花が開くと昼頃には閉じてしまう、見られる時間が短い花で知られています。そして、今回のジャケットでも春の季節を感じられるものだけを残すことでまさしく『いま』を切り取った刹那的な印象を与えてくれます。
蓮と桜に大きな共通点があるとは思いませんが、ここまで『いま』を切り取ろうとした作品であると考えると、狙ってやっているのではないかな、とそう思いますね。
そしてもう一つ。『蓮』の話をしていきましょう。
ちなみに『蓮』といえば、様々な宗教において神聖な花として扱われ、如来様の乗る台座として使われたりもします。この辺掘り返すとマジで時間が足りないので、各自で調べておいてください。
今回は蓮の花について話をしようと思ったときに、個人的に思い出した言葉についての話をします。
泥より出でて泥に染まらず
何か正確には違う気もしますが、大昔の儒教学者が、蓮の花について語った言葉です。
蓮の花は、きれいな水や土の中からではなく、濁った水底の泥の中からそのきれいな花を咲かせます。その様子から、どれほどつらく過酷な環境にあっても、その環境に染まらず清く美しく生きるのが蓮であり、そういう風に生きることはできるはず。そんな意味だと私は考えています。
さて、この話を『蓮』の名を関するスクールアイドルたちに当てはめてみましょう。
「Dream Believers」だけでなく、収録されているほかの曲もよく見ると「過去の失敗」や「辛いこと」や「苦しいこと」を連想させる部分が多く盛り込まれています。
また、すでに公開されている情報でも、それぞれのキャラクターの「過去」に関する描写が登場します。ストーリーティザーPVなどでは、花帆がかつて病弱だったこと。このあたりは大変分かりやすいですね。
その他に、個人的に引っかかった場所は藤島慈の紹介文です。
小さい頃からタレント活動をしており、自分の可愛さを自覚し、可愛く見られるための努力を惜しまない。一方で興味のないことは一切やらないため、学業成績が振るわず、学院に入学させられた。
一見すると何の変哲もない紹介文ですが、どこにも「今うまくいってる」や「才能がある」などの文字はなく、むしろ「努力は惜しまない」とあり、努力しないと全然ダメととれる内容になっていると思いませんか。
それから、大沢瑠璃乃の趣味を見てください。
釣り、カラオケ、バッティングセンター
これは私も知り合いに言われて気付いたのですが、どれも「自分一人でできる趣味」になっています。
大沢瑠璃乃というキャラクターは、誰かと楽しむことが好きという割に、気を遣いすぎるとしばらく一人になりたがる、というキャラクターです。
相変わらず一人でやるのが好きという可能性もありますが、誰かと一緒にいてもできる趣味にまで昇華できている可能性もあると思います。どちらにしても、何ともキュンとする趣味だなと感じます。
このあたりは完全にこじつけなのですが、そんな個性を背負ってきた彼女たちが、ここまでにどんな道を歩んできているのか、先ほどの蓮の花の話とあえて関連付けをすると、決して無視できない要素になってくるのではないでしょうか。
一方で、現在公開されている情報はどちらかというと「ある程度ストーリーが進み、スクールアイドルとして歩み始めて彼女たちの様子」が多く映し出されています。
しかし、実際にアプリがリリースされれば、出会いや結成の話などのために少しだけ時間が巻き戻ることはほぼ間違いがありません。
この時初めて、実は少しずつ蒔かれていた、各キャラクターの過去を示唆していた伏線を回収するようなお話がくるのかなぁ~…と思っていたりしています。
どれだけ『いま』を楽しんでいる人にも、乗り越えてきた『過去』が絶対にあります。
蓮の花が咲く前の過去という名の泥が実は我々の見えないところにあるということを知りつつ、『いま』を輝く彼女たちを見た時に、どれほど感情が揺さぶられるのか。
今は想像することしかできませんが、そういった楽しみ方やテーマが、もしかしたらこの作品にはあるかもしれない、とそう思った次第です。
久しぶりに大変真面目な文章を書いたので、とても疲れました。
藤島慈たむの学生証カードを眺める仕事に戻ります………
この子の趣味もアレなんですよね。
「女の子の絵を描くこと」って、それはなんていうかその、かわいい子の憧れを抱いて自己投影してた頃の名残とかそういう、なんていうか、その……わざわざそんなこと書きます? みたいな趣味なんですよね。なんなんでしょうね本当に。
では今回はこんなところで締めたいと思います。
ラブライブシリーズにおいては、Liella!に続くというよりは虹ヶ咲の系列に近い「外伝作品」という面が強い作品だとは思いますが、やれる範囲で楽しんでいきたいと思います。
見てのとおり「作品名にラブライブがない(あっても小さい)」「キャラクターシルエットの横にグループ名がない」など、外伝作品に共通する要素が多いですね。
虹ヶ咲にハマった人間からすると、こっちのほうがよほど危険な気もしますが……
細かいことはアプリが始まってから考えます。
では本日はここまで。お付き合いありがとうございました。