信じる力が虹色の未来を作る【無敵級*ビリーバー/未来ハーモニーの感想】

こんにちは。ぬこもやしです。

本日、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の新曲「無敵級*ビリーバー」が発売されました。


視聴動画も既に公開されているので、もしよかったら一度ご覧になってください。MVはアホほど出来がいいですし、曲だけなら既に歌詞付きでサブスク配信も始まっています。

ということで、本当なら同作品で私が1番好きなキャラである天王寺璃奈の話を5万字くらい書きたいのですがそれは今回は保留させていただき、無敵級*ビリーバーと未来ハーモニーのお話、それからこの曲を語るにあたり不可欠なキャラクターである中須かすみ」の話をしていきます。
一部、新曲のMVやアプリゲームのネタバレを含みます。ご容赦ください。








・小悪魔系アイドル中須かすみ
中須かすみは虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のメインキャラ9人のうちの1人です。学年は1年生で、小悪魔的なあざとさやイタズラ心を持っているものの、そのいたずらは大体不発に終わり結果としてみんなに愛される。そんなキャラクターです。

このキャラが発表された当初は「矢澤◯このコンパチ」なんで評価も聞かれました。ラブライブの新キャラとなると、多くの人の心の中に残っているμ'sとの比較はどうしても避けられないところであり、彼女もその例に漏れず矢澤に◯との比較からスタートしました。渡辺曜も凜ちゃんのコンパチとか…
まあ、決してみんな悪意があるわけではなく、そのくらいμ'sが築いた歴史が偉大であるという風に捉えてください。

彼女を取り巻く環境の潮目が大きく変わったのは、アプリゲームのスクスタが配信されてからです。
スクスタのメインストーリー序盤、同好会のメンバーがそれぞれの理由でしばらく活動から離れてしまい、生徒会から度々同好会の解散と部室の明け渡しを要求されますが、「みんな別にいなくなったわけではないし、メンバー間に亀裂が入ってるわけでもない。ただ少し休んでるだけ」と涙ながらに主張し頑なに部室を守り続けるスト-リーを見て、多くのプレイヤーが心を奪われました。私も正直ちょっと泣きました。
また、のちにわかることですが、彼女は決して唯我独尊なだけではなく、メンバーそれぞれのいいところをきちんと見ていて尊敬しているという面もあり、同好会が大切な場所であるという思いもあったようです。

さらに、あざといとキャラクターと言いながらもそのあざとさや自信たっぷりの様子は、実のところ自分のやっていることが正しいのかどうかわからないという不安。また、だれにも負けたくないと思っている可愛さが、本当に負けていないかどうか確認したがる自信のなさの裏返しであることが個別ストーリーで明らかになりました。
こういった、最初は見えていなかった中須かすみのいじらしさや危うさ、それと同居する愛らしさや前向きな姿勢が混ざり合って一気に株が上がり、当時この新曲作成にあたりだれが歌うかを決める選挙が実際に実施されたのですが、当時1番人気だったキャラを抑えて堂々の一位となり無敵級*ビリーバーが誕生しました。


・無敵級*ビリーバー
ということでようやく本題です。
まず、この曲を聴き始めるといきなり「Mirror on the wall」と、どこかで聞いたことのあるフレーズから始まります。

「鏡よ鏡…世界で1番美しいのはだぁれ?」
白雪姫に登場する、世界で1番有名なセリフの1つと言っても過言ではないでしょう。
妃が鏡に世界で1番美しい女性は誰かと問うと、はじめは妃様ですと答えた鏡がやがて白雪姫です、と答えるアレですね。
鏡は自分の現実を写すものでありながら、自分の理想を投影するものでもあります。私はいわゆるチー牛顔なのであまり鏡をまじまじと見たくはないですが、乱れた髪を整えたりするのには必須で、鏡の前では誰もが少しでも良い自分になるべく繕うものです。
中須かすみもその例に漏れず、鏡の前に立つと現実の自分と理想の自分のギャップを感じることでしょう。そして、この曲はかすみんのソロ曲なので、鏡よ鏡…と問いかけているのは当然かすみん自身です。先程少し触れた、かすみんの奥底に眠っている自信のない危うさが冒頭でいきなり出てきます。
ただ、ここで鏡に写る理想像もまた「かすみん」自身であり、彼女自身も自分が最強に可愛くなれるという誇りも同時に持ち合わせているわけです。

MVでも、髪留めを全て外して、ダボダボのパーカーというパッとしない私服のかすみんと、キラキラの電飾や鏡の中に写る世界一可愛いステージ衣装のかすみんの2人が登場し、私服のかすみんが鏡に問いかけた結果、ステージ衣装のかすみんが写し出されています。
そして、サビ前では鏡の中のかすみんが私服のかすみんに手を伸ばし、2人は1つになってサビに突入します。
世界一かわいい自分が最高の理想であると同時に、現実の自分はそこにまだ到達していない。しかし、いつかはそこにたどり着くことができるはずだという彼女の強い意志を読み解くことができます。

「努力してても追いつけないのかな」
「ううん!弱気で凹んでちゃダメ」
「私にだって出来るはずはずなのにな」
「超絶誰よりイチバンだもん」

「手強いライバル現る焦る」
「頑張る姿見ててほしいな」
「計画通りにはいかないかな」
「ねぇますます目が離せなくない?」

上記は1番2番それぞれに挿入される、私服かすみんと衣装かすみんの掛け合いとも取れるセリフパートです。
自信のないかすみんも確かにいますが、一方で自分自身を鼓舞したりポジティブに考え方を変えたり出来る強さがここで読み取れます。

たとえ自信がなくても自分自身だけの唯一無二の可愛さを追求し、いつか必ず頂点に立とうと足掻き続けることができる。そんなかすみんのことをストレートに描いた名曲と言えますね…
本当にめちゃくちゃいい曲なので皆さん聞いてください…スクスタのストーリー見てから聞くともっと良くなります…

・未来ハーモニーのワンコーラスMV
無敵級*ビリーバーのMVが終わると、シームレスにそのまま未来ハーモニーのMVが始まります。
当初、未来ハーモニーのMVがワンコーラスしかないのはなんで?と思っていたのですが、改めて歌詞を踏まえてMVを見ると「未来ハーモニーのMVまで込みで、中須かすみを描く一本の映像作品になってる」ということがわかりました。

つい俯きたくなるような
景色まだ続いてるけど
縮こまってちゃらしくない!
瞳を開ければ見えてくる

新しい予感がするの
ドキドキして眠れないよ
ずっと寂しかったけれど
もう1人じゃないよ

it's alright will be alright
ヒカリを目指して出発!
ready go!

サビ前までこの歌詞に合わせて、無敵級*ビリーバーのステージになっていたレイボーブリッジで一人待つかすみんのもとにニジガクメンバーが集合し、サビでは9人のダンスになるという構成です。
もちろん、虹ヶ咲スクールアイドル同好会全員の想いとリンクしていると考えることもできますが、1人で不安や自信のなさと戦いながら部室を守り、ニジガクメンバー全員が再度集まることを待ち続けた中須かすみのストーリーにぴったり合致する歌詞とアニメーションにもなっています。

これはおそらく、どちらが正解というものではなく両方ともあり得る解釈として書かれているのではないでしょうか。
未来ハーモニー単体で聞けばニジガクの集合曲とも聞くことができますが、MVを一気に見た結果、そこに収録されているのは中須かすみを主人公とした、一つの映像作品として作られているなと感じた時は部屋の中でひっくり返りました。これが選挙一位のご褒美…つ、つよい…

わざわざ無敵級*ビリーバーから雪崩れ込むように未来ハーモニーのMVが始まり、このような歌詞と演出になっている以上、こういった意図が全くないということはあり得ないのではないでしょうか。ただ、このストーリーはかすみんにしかできないやつですね間違いなく…。自分の可能性を信じ、仲間を信じて待ち続けた彼女が作った虹色の場所こそが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会なのかもしれません。
ほかのキャラは途中参加だったり、よくわからん理由で一時離脱していたので…

9月に無観客でのライブがあり、先日の生放送で中須かすみ役の相良茉優さんが「めっちゃ無敵級*ビリーバーのダンス練習してる」となんの躊躇いもなくセトリのネタバレをぶちかましてきましたが、散々他のキャラの曲を聞いてから無敵級*ビリーバーやってそのまま未来ハーモニーに雪崩れ込まれた日には、たぶん私は画面の前で塩になります。



ちなみに、MVは随所に小ネタが小ネタが仕込まれていて、ニジガクの展開を追いかけていると「あっ!!!!!」となるアイテムや衣装が多数登場します。それから、舞台となるお台場近辺が多数登場するので、とりあえず週末にでも巡礼してきます(晴れてれば)(数週間前に行ったばっかり)。都民のみなさんは例のアレには気をつけつつ、お台場いきましょう。

と言った感じで、書き忘れもあるような気がしますが、とりあえず今回はここまでにいたします。
BD付きは4500円+税とちょっとお高めですが、とりあえずサブスクだけでも聞いてみてください…

以上!解散!!!


おまけ
いろいろな中須

部活説明会のライブでセンターになるための努力が迷子になってる中須


自身の美学に基づいて矢〇にこに火の玉ストレートを放る中須





自分で自分の地雷を踏みぬく中須