「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」ラスト2話に向けてここに注目

現在絶賛放送中のアニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?
みなさん見てますか。見てますねそういう感じで行きますよ。

もうすぐ最終回を迎えるにあたって、ここに注目してほしいなという個人的ポイントをさっくりと纏めます。

あっ、一応そこそこネタバレを含みます。注意してください。






・「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」の着地点
そもそもどういった作品かというところに関しては、私が少し前に書いたもの(クリックで開きます)を参照してください。

アニメ本編もクライマックスということで、ここまで見てきた人は果たしてどんな結末になるのかとヤキモキしていることかと思いますが、実のところこのアニメ、放送前の段階でどんなストーリーになるのかはあっさり書いているんですね。





こちらはテレビCMのキャプ画像です。
まあつまりなんと言いますか、これ自体はネタバレでもなんでもないんですよ。正直言うとオチはもう見えてるんです。今から一話の冒頭見てみてください。多分、色々と納得な描写が山ほど出てくると思います。

では、このアニメ結局なにが重要なのかというと、続きます。

・オチが見えてるからこその感動

このアニメというかこの作品が描いてくれているのは、死ぬ事によって起きる感動ではなく、見えている終着点に向かいながらもなお生き抜くことの良さ、だと思います。
1話時点ではヴィレムもクトリも生きることを半ば諦めていました。何もかも失ったヴィレムと、残り数日で自爆することが決定しているクトリ。
けれども二人が1話で偶然出会うことにより、物語はほんの少しですが動き始めます。
ヴィレムは生きる目的を取り戻し、クトリは本来見つけるはずのなかった感情や経験をたくさん手に入れていきます。このストーリーを彩る世界観や他の登場キャラクターたちも非常に魅力的で、どのキャラも基本的に欠かすことの出来ない存在として描かれています。このあたりは、見た人なら納得して欲しいなーというところですが。

その一方で、クトリたちを取り巻く世界に根付いたどうしようもない事実が、生き抜こうとするキャラクターの邪魔をします。
クトリたち黄金妖精(レプラカーン)の真実。十二種の獣の存在とその真実。様々なストーリーの中で明かされていきます。(ヴィレムがたどり着いた獣の正体に関しての仮設ですが、実はあれはまだ真実まではたどり着いてません。あくまであれは仮説です)

目の前のことを一生懸命に乗り越えようとするキャラクターと、それを取り巻く世界観が徐々に明らかになっていくストーリー。この両者が絡まって行くのはなかなか得難い感動ではないでしょうか。
要するに、普通に見るだけでも面白いということです。dアニメストなら全話いつでも見られますので、ぜひ登録しましょう(宣伝は基本)

ただこの作品、見て終わりではじつはもったいないんです。

・キャラクターが内に秘めた芯

個人的に、この作品のキモの一つだと思います。
登場するキャラクターたちにも当然、描かれたストーリーよりも前の話があり、そこで得た感情や経験が作中での動きに密接にリンクしています。アニメ本編で最も鮮烈に自らの胸の内を明かした、アイセアを例に話をしましょう。



アイセア・マイゼ・ヴァルガリ
レプラカーンの一人であり、妖精倉庫にいる妖精たちの中でも最年長組の一人。
明るく飄々とした雰囲気でおちゃらけた話し方をする一方で、ヴィレムに対してなぜ自分たちのために命がけでアレコレしてくれるのかと、ソレまでとは打って変わった雰囲気で問いかけてきたシーンなどは、結構印象深いんじゃないかと思います。

おそらく、そのときはなぜそのようなことを問うてきたのか、理由まではわからなかったと思います。ですが、ここまでこのアニメを見てきた人ならおそらく、わかるのではないでしょうか。

作中のアイセアは、正確にはレプラカーンのアイセア・マイゼ・ヴァルガリスそのものではありません。レプラカーンは自身の死にも気づかないうちに命を落とした子供の魂が再び世界に現れた霊魂のようなものであり、力を使い続けるとその前世の記憶にレプラカーンの魂そのものが侵食されていきます。作中のアイセアはその前世の記憶がすべてを喰らい尽くした後の状態であり、本来のアイセアはすでに消滅してしまっています。

ことその状態に至って、アイセアとして再び意識を得た誰かは、数日の時間を使ってアイセア・マイゼ・ヴァルガリスの残した日記を必死に読み込みます。つまり、このままアイセアとして振る舞い続けることを選んだのです。自分はすでに一度命を落とした身でありながら、アイセア・マイゼ・ヴァルガリスという一人の命を食いつぶして現れてしまった。ならば、自分にすることは、アイセアの周りの誰かのためにこの生命を使うことが最良である。そう、結論したのです。

「見ず知らずの誰かのために命がけとか、かなり気持ち悪い」

と、冷静にそう言い放ったアイセアですが、実は作中で一番「見ず知らずの誰か」のために命を投げうっているキャラでもあったわけです。
このように、この作品はある程度話が進んだところで振り返ってみると、様々な場面でそのキャラの持つ芯や過去から来た動機が多く盛り込まれています。
私の好きなネフレン・ルク・インサニアちゃんもその例に漏れないわけですが、アニメではそこまでやらなさそうですね…

少なくとも、アイセアだけでも良いので「実は一番、誰かのために自分の力を使うことを惜しまないキャラであること」や「妖精倉庫のみんなの幸せや安全を一番に願っているキャラであること」などを心に留めながら、これまでの話を振り返ってみてください。
たぶん、泣きます(当社調べ)

なんか、アニメの紹介というよりアイセアの紹介みたいになってきましたが、まあ良いでしょう。
と、こんな具合に私個人が感じている物をつらつらと書いてみました。本日(6/21)から地上波で11話が放送され、来週はいよいよ最終回です。

クトリの物語がどのような結末を迎えるのか、ぜひ見届けてください。