アニメ「終物語」とともに私の青春もまた一つ幕が閉じた

こんにちは。ぬこもやしです。

アニメ「終物語」を見ました。もう死ぬほど面白かったし、この作品に関わる思い出やら何やらがたくさん浮かんできて半べそでみてました。
今日はアニメの感想というよりほとんど日記です。多分長くなるのでのんびりお付き合いください。




終物語」とは、西尾維新先生著の「物語シリーズ」その一つの終着点。主人公阿良々木暦の高校生活の終わりを描いた物語であり、阿良々木暦という存在の正体を描いた物語です。先日、地上波テレビとabemaTVで「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」の3篇が一挙に放送されました。

物語シリーズ」は、主人公である阿良々木暦が様々な人と出会い、様々な怪異と出会い、その中で移りゆく人間模様や成長、あるいはそれぞれの傷との向き合い方を描く青春ストーリーです。大きな特徴として、いわゆる西尾節と言われる言葉遊びが作中にふんだんに盛り込まれ、小気味の良い会話劇を中心に物語が展開されるところです。まあ、これが苦手で読んでないって人がそれなりいるのも事実ですが…

さて本題ですが、私はこの「物語シリーズ」に高校生の頃に出会いました。正確には、西尾維新先生が書いた別作品である「戯言シリーズ」と言うものを友人から教えてもらい、ハマりました。ちょうど私が知った頃が「戯言シリーズ」の最終話が本として世に出回る頃で、最後の最後をリアルタイムで楽しませて頂きました。そんな興奮も覚めやらぬ中刊行されたのが「物語シリーズ」第一巻と第二巻にあたる「化物語上・下」でした。

画像は割愛しますが、VOFAN先生の表紙イラストとかもうめっちゃ懐かしいですね…地元駅の改装されたアトレにあった本屋に買いに行ったのは今でも覚えています。当時まだ高1くらいだった私に講談社BOXの本はまあまあ値のはるものでしたがそこはそれ、当然買って読みました。当然めちゃくちゃ面白くてハマりました。こんな高校生活を送れたら…と思うことがない程度にはまだ私自身子供でしたし、中身もそれなりにファンタジックな内容でした。しかし、作中に登場するキャラクターの多様な個性や、読む者をあっと言わせる先の読めないストーリー。そして何より戯言シリーズから変わるどころか進化を続ける西尾節に、心底しびれたあの感動は忘れられません。

その後もこの「物語シリーズ」は続きが出るのかな?と思っていたら筆の速さに定評のある西尾維新先生はさすがというところで、次から次へともりもり続刊を発売していきました。そんな中、化物語のアニメ化などのメディアミックスも展開され、このアニメ化あたりから爆発的に西尾維新先生が世にしられるようになったと記憶しています。ジョジョコラボとか岸辺露伴のノベライズとかもこのくらいの頃だったと思ってるんですけど、流石に時系列ガバガバ過ぎますかね?まあ良いですね別に。

その後はまあ正直、こういったラノベのような本から徐々に遠ざかっていったこともあり、割と読んでないところもちらほら出たりしつつ、アニメも続いていきましたが見たり見なかったり見てたけど記憶から消えつつ…みたいな感じで少し遠巻きから眺めているような感じでした。そして今回、わりとたまたまですが、アニメ最新作である「終物語」の一挙放送をリアルタイムで見ることが出来ました。

面白い云々というより、これほどの作品を作れる西尾維新という人間そのものに感服しました。この終物語は私が初めて手を取った化物語から始まったストーリーの、ある意味では終着点であり、一つの風呂敷の畳どころとなっていました。特に化物語から続いてきた様々な要素、何より言葉遊びがストーリーの軸に関わっており、化物語が刊行されてからおよそ10年ほど(原作準拠で言うなら7年ほど)掛けての伏線の回収が、作品のいたるところに散りばめられていました。これまで描かれてきた描写や、阿良々木暦がとってきた行動その全てがこの終物語の最後に向けて収束していっている、そんな感覚を与えてくれる作品でした。

うだうだとなんか理屈をこねましたが、一言で言うと

なんか自分の卒業式を思い出して泣いてました


高校生だった頃に出会った作品の最終回、しかも主人公が高校を卒業するシーンを10年ごしに見せられたらそれはあなた、なんも思わないほうが無理ってもんですよ…
作品そのものが面白かったというのもそうですが、色々な思い出がフラッシュバックして普通に泣きながら見てました。おっさんになるともう涙腺ゆるくてだめですね。

あっ、でももちろんストーリーも本当に面白かったんですよ。
八九寺真宵という「化物語」では家に帰る前に交通事故にあい、帰る場所が見つからなくなってさまよい続けると言う怪異になったキャラクター(自社調べによると作中一番人気)が居るのですが、その子が最後には

「いつでも遊びに来てくださいね。私の家に」



なんてセリフで結末を迎えるんですから…
もちろん、そこに至るまでの様々なストーリーがあるからこそのこのセリフであり、この感動なわけですが、とにかく最高でした…この子が最も言ったであろう言葉遊びも、終物語のオチの一部にもなっているんですから、本当にどれだけの構想をねっていたんでしょうね…想像を絶するエネルギーでもってこの作品を生み出したのだと思います。

少し話がそれましたが、要は私の人生とともに歩んできてくれた作品の(一旦の)終了を見ることが出来たという話です。西尾維新先生という鬼才と同じ時代に生きれたことと、この作品をアニメという形でも表現してくれたアニメーションスタジオシャフトに感謝をせざるを得ません。時間というのはこれほどまでに強烈な思い入れを与えてくれるのだなと、また新しい感動がありました。それと同時に、見てしまった以上は私と物語シリーズとの付き合いは一旦終わってしまったわけです。原作では続きもあるらしいですが、どうも本編ではなくおまけ的なEXステージのようなので、まあ気が向いたら手に取りたいなという感じです。

今回のような作品との付き合い方をするには、また10年かけなければならないのでなかなか難しいとは思います。だからこそ、今日これを見ることが出来たのは本当に良かったなぁと思っています。所詮感傷に浸っているヲタクのたわごとポエムといわれればそこまでですが、私の胸を満たす感動や満足感は本物だと断言できます。本当に、この作品に出会えて良かったです。

と言った感じで、今日はこの辺にしましょう。
そういえば、EDはClariSさんの新曲でしたね。これも歌詞がもう作品とガッツリリンクしていてよかったですね。カップリング曲は…



は?君の知らない物語?アニメ化物語ED曲の、あの、君の知らない物語???????
ありがとうございます…本当に、ありがとうございます…

星を見に行こうと行ってくれた君にあの日出会えて、良かったんだね…