今年最強のアニメは宝石の国で決定という話

過激派なので反論されると泣きます。
あっ、一応ネタバレあるのでそこだけ注意してください。





年の瀬ですねこんにちは。こんばんは。
私はオタクなので、そこそこにアニメを見ています。今年もいっぱい見ました。その中で、特にコレは!!と言うやつの話をします。ということで、タイトルにもありました「宝石の国」についての話をします。

・「宝石の国」とそのストーリー
宝石の国とは、市川春子著の、講談社月刊アフタヌーン』2012年12月号より連載されている日本の漫画です。
「古代」といわれるほどの過去に「にんげん」が存在したと伝えられる遠い未来の世界。遠い昔に6度の流星飛来のために海中に没した地上の生物の中から、「微小生物」に食われて無機物となり、長い年月を経て、宝石の体を持つ人型の生物が生まれていた。28人の宝石たちは、自身を装飾品にしようと来襲する月人(つきじん)との戦いを繰り返しながら、長い時間を寄り添って暮らしていた。
宝石たちの中でも特に脆く戦闘に出られず、秀でた才のない最若のフォスフォフィライトは、「博物誌」の制作を仕事として与えられ、不本意ながらも活動を始める。
というのがざっくりとしたあらすじです。
この作品はストーリー的な面において、この作品には大きく3つの側面があります。

1つは、主人公「フォスフォフィライト」の成長物語。彼、と言っていいのかわかりませんがフォスは第一話時点で登場する宝石たちの中で最も幼く物理的に脆く弱い存在として描かれます。そんなフォスは月人と戦うことを、まるで子供のあこがれのように強く望んでいます。しかし、現実の問題としてフォスには月人と戦えるだけの力が最初の頃は持っていません、そんなフォスも、様々な経験の中で徐々に月人と戦えるだけの力を手に入れるのですが…果たしてその力はフォスが本当にほしかったものなのでしょうか…?

もう1つは友情の物語。フォスは博物誌編纂の仕事を与えられるた後に、ただ存在するだけで毒液を撒き散らしてしまうという、フォス以上の特異体質を持つシンシャと言葉をかわします。月人にさらわれかけたフォスを助けてくれたシンシャにフォスは「夜の見回りよりずっと楽しくて、君にしか出来ない仕事を見つけてみせる」と約束をします。夜の中に自らを閉じ込めたシンシャを救うと決めてフォスですが、すぐに自分のことでいっぱいになってしまうフォスに、その約束を果たせる日は来るのでしょうか…

最後の1つは戦いの物語。フォスたちをさらいに、月から飛来する謎の存在「月人」。彼らはフォスたちを装飾品にしようと、やってくるといわれています。さらわれた宝石たちはときに月人の武器とされ、月人自体も徐々に強力になっていきます。果たして、月人たちに勝利する日は来るのでしょうか…

まずこのアニメ、この3つのストーリーを全12話の中で全く飽きさせることなくしっかりと描写してくれています。宝石たち登場人物の数が多い一方で、舞台は狭く閉塞された島の中に限られています。その為、今挙げた3つの物語が次々に入れ替わり、しかし情報の不足なくしっかりと伝わってくるため、非常に骨太なストーリーになっています。その中でも、月人に関わる物語は原作の漫画でもようやく謎が明かされた頃らしく、アニメでは示唆する程度におさめられていますが、フォスの成長物語と、宝石たちの背景描写やシンシャとのエピソードは筆舌に尽くしがたい濃密さになっています。
足を失った代わりに手に入れた速さと、腕を失った代わりに手に入れた合金の力。さらに、その中でフォスが経験した事柄、全てが見るものの心に刺さります。信じ始めていたものに裏切られあわや月人に連れ去られるところだったが、事情を聞いたら怒れなくなってしまったと言い放つフォスの優しさ。手に入れた力に対しての、ほんの少しの過信によって目の前で仲間を失いながらも、誰にも責められなかった悔しさと後悔。フォスの成長物語だけでも一本の作品を作れるレベルのものになっているにも関わらず、シンシャとのエピソードがコレまたいいんですよ…
1話で海に落ちそうになったシンシャを助けるために、フォスは博物誌編纂のために渡されたバイダーを使って手を伸ばします。その後、フォスがその場に忘れていったバインダーをシンシャが見つけます。その後、そのバインダーがでてこなかったのでどうなったのかなーと思っていたら、シンシャがねぐらに持ち帰って何度も見ることで、記憶にしっかりと残していました。そこまでの流れにおいて、1話と最終話が完全に対比になっていて、もうコレがですね…

脳汁でるほど気持ちいいんじゃ!!!!


忘れたころに持ってきた伏線が最終話のオチにつながってるなんてもうそれはあなた…

最高!!!!!!!!!!

の一言に尽きるストーリです。コレだけでもかなりおすすめなんですが、まだ続きます。

・3DCGの粋を極めた映像美
1話を見るまで私全然この作品のことしらなかったんですよ。1話見てまあまず驚きますよね。全編3DCGを駆使した映像になっているんです。ここ数年でメキメキと当たり前になっているCG作画ですが、登場人物が全て宝石ということで、表現すべき色や透明感など、確かに手で書く作画では非常に苦戦するのではないでしょうか。そこを逆手に取ったかのような3DCG作画だったのですが、これもまた、CGならではと言わんばかりの完成度になっています。
登場する宝石たちの透明感や光。今にも崩れそうな終末感あふれる世界感を余すところなく楽しめる作画は、一見の価値ありです。
また、月人とのバトルシーンや動きの多いシーンでは、いわゆるウソパースといわれる、実際にこんな絵にはならないが、見るものが魅力を感じる独特なカメラワークや、物語の転換点を明確に示すための、ワンカットの中で思い切ったシーンの切り替えが随所に見られます。いやぁ本当に最近のアニメはどれもできが良いねぇでしめようと思ったら、まだ続きます

黒沢ともよとか言うマジモンの天才

アニメなので当然ですが声優が声を当てています。フォス役の黒沢ともよさんですがもう…



の一言につきます。あくまで個人の感想なのですが、とりあえず聞いてみてください。本当にやばいです。
アニメ全編を通じて、フォスのセリフはとても多いのですが、その感情の振れ幅はそんじょそこらのアニメとは一線を画します。なにせ、1話では無邪気だったフォスが、足を失い手を失い仲間を失い…徐々に感情の面で成長しますが、同時に記憶も失っていきます。ストーリーが進むごとに成熟して落ち着いていくというよりは、色をなくしていっている。そんな感覚を与えられます。
また、セリフ一つ一つからフォスがその時どのような気持ちだったのか、向こうが教えてくれているようなこっちが想像して決めていいような、なんとも不思議な気持ちにさせられる演技をしてくれます。
様々な対談記事などを見ると、どんな気持ちで収録をしていたのかうかがい知ることができるのですが、その中でも特に印象的だったのが

「フォスたちって呼吸がいらないのに、だるいってどんな気持ちなんだろうって思いながら演技してました」


えっ?なに?そんなことまで考えてたの??
すでに発想が常人のそれではないです。アニメを見ているときに目から得られる情報もありますが、声や音といった耳から得られる情報も重要です。この作品はそのどこにも妥協をせず、見るものを楽しませよう、良いものを作ろうという気迫を感じました。


・終わりに
ということでみんな

円盤を買おう!!!

せめて

有料配信サイトで見よう!!!

以上、アニメを見た以上お金を落とそう委員会からのお願いでした。
おしまい。