ミリオン5thライブの「ミリオンライブというコンテンツ」の中における役割について

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 5thLIVE BRAND NEW PERFORM@NCE!!!(以下ミリオン5th)お疲れ様でした。

とりあえずめちゃくちゃ楽しかったのでしばらく生きていけそうです。
今回のライブを一言でまとめると「ミリシタがそのまま出てきた」という感じだったのかなと思います。たぶん自分はそこそこにひねくれているほうだと自覚しているのですが、今回も単純に楽しいと感じる自分といろいろ考える自分が同時にいたので、ライブ中はがんばって小賢しいほうを黙らせたりしてました。タイトルの話をする前に、順を追っていきましょう。今回はたぶん長くなります。ゆっくりお付き合いいただければ幸いです。


・セトリ予想してた頃の話
今回のミリオン5thは、ふたを開ける前から大半のセットリストがもう漏れているような状態でした。MSシリーズとMTGシリーズという二つのCDシリーズがライブ前までにほとんど発売され、ミリオン5th直前までスマホゲームでプレイできていたイベント楽曲もフルで配信するという、「お前らここまでやってやったんだから準備万端整えて来いよ」といわんばかりの丁寧な誘導がされていました。結果としてもライブで披露された全70曲(前説の昴曲を除く)中49曲はそのCDシリーズで事前に予習することが可能でした。数え間違えてたらごめんちゃい。
そのくらい、今回は事前にこれをやるだろうというのがほぼ見えていました。私も知り合いと話をするときは、MSシリーズとMTGシリーズはまず確定として…という前提から入るレベルでした。そこに加えて今回はアイドルマスターミリオンライブシアターデイズ(以下ミリシタ)配信開始から一年という鉄板のネタも控えていたため、間違いなくミリシタを軸にしたセットリストになるだろうという話をしていましたし、皆さんもそうだったのではないでしょうか。
だからこそ、その縛りの中で何を見せてくれるのかという期待と不安があったのだと思います。セットリストのタネはほとんど割れてるから、それをどう料理してくれるのか。自分の担当がどんな役割をもらうのか。関心はそのあたりに重きが置かれていました。
結果としてはまあ、泣きましたけど。


・実際ライブ見てたとき
踊り狂ってました。おわり。

ってわけにもいかないのでいくつか話をすると、まず本当に今回のライブは「ミリシタだった!!」の一言で結構説明がつくと思います。ステージもMTG01のジャケットそのままでしたし、衣装のシャイニートリニティも非常に完成度が高く、ミリシタで見ているものがそのまま飛び出てきたような感覚でした。


どすか?このジャケット結構久しぶりに見た人もいるんじゃないですか?まあ、そんな感じです。

また、「ミリシタっぽい」と感じたところとして、ステージに立つガールズたちの完成度が高かったことも上げられると思います。単純なうまい下手ではなくアイマスのキャラクターらしさ」をものすごく追求していると感じているところがたくさん感じられました。アイマスライブが普通のライブと違う点はここにあると思いますし、見ているわれわれもそこに一定以上の期待を寄せています。そして、それにステージ上のアイマスガールズが応えてくれるからこその特別な感動が今回のミリオン5thにはたくさんありました。特に私は、中村温姫さんや田村奈央さん、Machicoさんなどが特にそのあたりを突き抜けているなとライブ後に言って回ってました。
中村さんはそもそも地声がわりとロコなので若干チート感はありましたが、3rd福岡の頃から少しも変わらないはじけるような笑顔でステージ上を飛び回る様子は、本当にロコそのものだと思います。
スノウレターの曲に入る前の一瞬、かじかんだ手に息を吹きかけるあの音だけで客席を一気に引き込み、会場を雪景色に変えた田村さんも、まさにひなたのような暖かさを表現してくれています。
また二人とも、メンバーをごちゃ混ぜにしたユニット曲でもそのパワーを遺憾なく発揮していました。というか、今回のライブにおいて「ミリシタらしさ」をどこで見せるかがここにかかっていたのではないかとも思います。皆さんめっちゃ良かったのですが、その中でも今あげた方々は一線を画していたなという感じでした。見た目や声だけでなく、曲中のちょっと雰囲気でそれこそ誤認でも良いから「アイマスアイドルがいる!」と感じさせられれば勝ちです。

そういえば、今回の「ミリシタらしさ」を支えていたポイントとしてこの「ユニットごちゃ混ぜ」があげられます。
特にBirth of Colorでセンターに立ち「クールもカワイイも叶えてゆける」と歌うロコがいると感じてしまった瞬間にもう死んでました。まずそもそもステージのど真ん中で歌うロコがいるだけでもうずるいですし、そんな絵を見ることができるくらいのところまで進んできたのかーと、これまでロコについて考えてきたあれこれが浮かんでは消えてほとんど走馬灯状態でした。
ミリシタの中では誰にどんな曲を歌わせるかは自由です。そもそも私も結構前からこれをやれってずっといってたほうだったなぁと、今までのミリオンの感想でも書いてたなとライブ前に読み返してました。

『何を歌うかはわかってても「誰が歌うか」までは当日までほとんどわからない』

これだけでも、ミリオンライブはほかにはない楽しさを提供してくれますし、自分の中のミリシタと公式から提供されたミリシタが一致したときの絶頂感はぜひ皆さんに知ってほしいと思います。私はロコセンターのBirth of Colorでほぼイキかけました。お先に失礼します。

なんか忘れてると思ったらMachicoさんの話を忘れてましたね。正直、中村さんは贔屓目もあったと思います。Machicoさんも別に何も知らない人というほどではないのですが、だからこそあのステージを作るためにMachicoさんがどれほど準備してきたのかなと想像しただけで死に掛けました。そのくらい、そのまんま「伊吹翼」だったからです。
アイマスガールズがアイマスアイドルをステージに召還する方法はいくつもありますが、その中でもMachicoさんは群を抜いて「計算と理論」でキャラをステージに降ろしてくれています。本人のライブ直後のブログなどを見てもらえると少しはわかると思うのですが、Machicoさんはステージ上の演出をとにかく考えて考え抜いてわれわれの前に立ってくれていると感じています。ソロライブなどに行くとたぶんすぐわかります。あの人は本当にそういう人なんです。「これをやったら見る人はどう感じるか」「こういう感情を与えるためには何をすればいいか」という計算の上で一挙手一投足に気を使ってくれているんです。
ノリや勢いではなく、計算と理論でこれほどのものを見せてくれる人は、ミリオンに限らずこれまでのアイマスにもそうはいなかったのではないでしょうか。家に円盤とかある人は、そういうことを頭の隅に置きながらちょっと今までのMachicoさんを見てください。軽く死ねます
あっ、アイルだけはちょっと特異点ということでひとつ…

・タイトルの話
すいませんちょっと白熱しすぎましたね。そろそろタイトルの話に行きましょう。
アイマスのライブは単品でも完結するのは当然ですが、「これまで」と「これから」のための
1ピースでもあってほしいというのが個人的に思っているところでもあります。今回のミリオン5thはその1ピースとしてどうだったかというと、多くの方が感じているとおりに「ミリシタ1st」だったと思います。グリー版サービス終了とミリシタ1周年を受けて、いよいよミリシタを中心としたステージへと移行していくための一発目だったのだと思います。だからこそのCDシリーズ全ぶっぱとユニットごちゃ混ぜ構成だったのではないでしょうか。えっ、じゃあジレハは?という意見もありますが、あれはまあほら、一応ミリシタでもやってるしすでにミリシタ時空に組み込まれてるから、多少はね・・・?まあそれでも、多少の特別感はありますけど。

閑話休題、ミリオン5thがミリシタ1stであることは、MSシリーズの曲の感じからもうかがい知ることができます。MSシリーズのソロ曲から、新キャラの紹介やこれまでいたアイドルの改めての始めまして感を得た人も少なくはないと思います。それを軸に舞台を組み立てることで、ポジティブにリセットをかける意図があったのだと思います。また、そう考えると改めて今回のセットリストからそれぞれのアイドルの今後のミリシタにおける役割も想像することができます。印象的なのは初日一発目の春日未来と二日目ラストの最上静香です。コンテンツのセンターがいの一番に突っ込むことで道を切り開いていき、コンテンツの青色がその心を打ち明けるバラードで全体を締めくくる。アイマス的には非常に古典的ですが、これまでできなかった「王道」をついにミリシタ1stで切ってきたかと、初日の未来系ドリーマーが来た瞬間に息が止まってひっくり返りそうになりました。だからこそ、今回はむしろセトリがばれているからこそ、見る側への心の準備をさせてくれたのではないでしょうか。自分の中のミリシタを事前に考えておくことで、そことの差異や合致している点を両方楽しめるように、というところですね。
『いやちょっとまてや俺の中のこのアイドルはそれ以外にも役割があってだなぁ!?』という声が聞こえてきそうですが、ちょっと落ち着いてください、都合のいいことを言うようですが、今回はあくまで「1st」なんです。今回提示されたのはあくまで、ミリオンライブというコンテンツのもっとも根幹にある「骨組み」だと考えると、むしろ今回見せられたものは徐々に変化していくものです。そう考えれば、今回見られなかったものもいつかは来てくれるのではと思いませんか?
まあそれでも、私は「最後の最後に自分の決意ですべてをねじ伏せる最上静香」という役割がついに与えられたかとSING MY SONGの試聴を聞いた瞬間に無限にガッツポーズしてましたけど。今回少しもやっとしている人は『時計を進めなければ 出会えない未来』がまだあるはずです。ミリオンライブはまだまだたぶん続くので、もう少しだけ一緒に歩いてあげてください。

少し話がそれましたが、まとめると今回のミリオン5thは、本当に

「これからのミリオンライブの行く先を示すための、新しいロードマップ」

なのだと思います。その一方で、タイトルをミリシタ1stではなくミリオン5thにしたのは、またしても都合のいいことを言いますが「ミリオンライブが歩んできたこれまで」すべてがなくなったわけではないからだと思います。2014SSAに出演したメンバーが一様にその時のことに言及していて、まさにその時にミリオンのリアルライブに出会った私は無限にうなづいてました。あのときがあったからこそ、新しいミリオンライブを作り上げて提示できるほどになったのだということは、決して誰も忘れていないのだと思います。
それだけに、やはり新キャラは本当に強いですね…5年かけて積み上げたところにポンと参加しても負けないどころか、ミリシタPの一割は紬か歌織のPですからね…納得のパフォーマンスと公式からの全力バックアップですよ。

その一方で実は私、ライブ前の時点で注目していた新キャラ二人や高山紗代子や真壁瑞希の曲では、パフォーマンスに圧倒されこそしても、アイマスらしいという感動はそこまででもなかったんですよね。このあたりは何でかなぁと思っていたのですが、ある人の話を又聞きというがばっぷりで大変申し訳ないのですが、「われわれは4thで一度思い出ボムを使い切っている。思い出ボム0の今聞いて爆発しないものがあっても不思議じゃない」という話を聞いて、今回のミリオン5thの役割やこれからどんな風に向き合えば良いのか、するするといろいろな疑問が解けたような気持ちになりました。
アイマスのライブにおいては、「声優の一般的な歌やダンスの技量=ライブの完成度」は必ずしも真ではありません。だからこそ、本当にここからまたはじめていけばいいし、ここはミリシタの世界線なのだから、今まで以上に好きに向き合っていけばいいんだ。と、そんな風に感じました。けれども、少し話は戻りますが、これまでのミリオンライブは決してなくなってはいないと思ってもいいのだと思うと、さまざまな情報を勝手に紐付けして、また自分の中のミリオンライブを作っていこうと思いました。じゃなきゃ、ロコセンターで泣く私はいなかったわけですからね。


まあ、こんなところですかねたぶん。
じゃあ、わたしエタハモイベやるから…せっかくなんで、自分の好きなユニットで一回くらい見てもいいと思いますよ?そういう楽しみ方をできるのがミリシタだと思います。

おしまい!