アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』はアニメ好きなら見ておいて損がない

現在絶賛放映中のアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』というアニメがあります。
どんな感じの作品なのかは以下の公式サイトのあらすじを見ればなんとなくわかっていただけるんじゃないでしょうか。



最初はよくあるキャラ萌えスポコンモノかと思って敬遠してたのですが、先日アニサマで中の人のライブを見て興味を持ち、アニメを一気に見たのですが

まぁ~…面白い!!!!!!!!
これはすごい!!!!アニメ好きなら見て間違いなく損がない!!!!


って作品だといまさら気づかされました。一口にアニメが好きといっても、いろんな人にそれぞれの見方があってしかるべきだと思いますが、この作品はその「いろんな人のそれぞれの見方」のどこから見ても見ごたえ十分な作品だと思います。ちょっと順番に行ってみましょう。
各種動画配信サイトで見られるので、なにかしらで見られそうならとにかくまずみてもらいたいんですけどね。


以下、かなりネタバレが出てきます
何も知らずにみることで深みや楽しみ方が増す部分もあるので、まず見てからという方は、また後で読んでください。






















・作画
つよい!!!!!すごい!!!!おしまい!!!!!
という感じで、まず見てくれがものすごく強いです。どことは言いませんがブシロードさんこれめっちゃお金かかってますねってのがみてるだけで伝わってきます。
単純に絵がきれいというより、迫力や臨場感がものすごいという言い方がふさわしいでしょうか。このアニメにはほぼ毎回『レヴュー』というバトルシーンがあるのですが、このバトルシーンが非常に凝っていて見ていてひきつけられます。
私のお勧めは3話「トップスタァ」から「誇りのレヴュー」というシーンです。ここでは、メインキャラの中で最も実力があると毎回印象付けをされていた天堂真矢というキャラと主人公が戦います。
アニメは3話まで見ろという(そこまでで視聴者を釘付けにできるかが最初の分かれ目である)
意見がありますが、その分かれ目の回にふさわしい単純な迫力の暴力でぶん殴ってきます。また、主人公がまだ物語の主人公足り得ないというメッセージももろに表すとても印象的なシーンであり、これは私の言葉や変なキャプ画像よりもみてもらったほうが早いのではないでしょうか。
しかも、ただ見た目がいいというだけでなく、後述するのですがたぶんこのレヴューのシーンにも端々に後々に活きてくる情報が眠っているのだろうなと思うともう目が離せないんですよね…

・キャラごとの背景のふかぼり
作画がいいのと同時に、キャラごとのエピソードも単純ながら非常に出来がいいです。登場するメインキャラクター全員が、本来であれば一人しかなることができないトップスターの座を争うライバルなのですが、それと同時に一人の女の子として当たり前にこれまでの背景や学園ではぐくんできた絆があります。その、本人の深いところにある夢と浅いところにある想いがぶつかって混ざり合う様子が、非常に丁寧に描かれることで、いわゆるキャラ一人ひとりへの感情移入やキャラ萌えへの道もきちんと整備されています。
個人的には、5話でスポットライトが当たった主人公と寮で同室である露崎まひるの担当回で号泣しました。



彼女は、ものすごく乱暴に言うといわゆるクレイジーサイコレズです。同室の主人公、愛城華恋のお世話をするのが大好きで、次第にそれが自分の支えとなってしまっていました。5話でその気持ちをレヴューのさなかで華恋にぶつけるのですが、そのシーンがまぁぁぁ~よくてですね、普通にそういう話を書くとたぶん暗くて鬱々としたシーンになりそうなもんですが、挿入歌の「恋の魔球」は非常に明るい曲であり、画面もかなり面白おかしく書かれています。ですが、このシーンのつくりが非常に上手いんです。
舞台上での殺陣を連想させるレヴューシーンの構成を上手く使い、舞台上では華恋と切り結び面白おかしく気持ちを述べるのに対し、舞台装置や舞台袖、いわゆる客からは見えないような場所では涙を流しながら本音や嫉妬をただただ垂れ流す。ただ面白おかしいギャグシーンではないが、悲劇も見方によっては喜劇になるという舞台特有の不思議な機構を活かした屈指の名シーンになっています。
これももうなんていうか、みてください。まじで。私は泣きました。
オチも秀逸です。

・ガチ考察厨をうならせるまさかの構成
このアニメは現在7話まで放送されているのですが、そこでこのアニメの舞台に関する衝撃の事実が明らかになりました。それは、実はこのアニメのストーリーは大場ななというメインキャラの一人が延々とループをさせていた物だったということです。


7話でこの大場ななというキャラがなぜそんなことをしているのかという理由も明かされます。細かいところは結構まだ意味不明なところもあるこのアニメですが、この事実によりこれまで放映されていた6話までから得られる情報の質が一気にがらりと変わってしまいました。ループしているとわかると、まずはこの大場ななが登場するシーン一つ一つの意味合いが変わってきます。実際に、いわれてから見てみるとなるほどと言いたくなるような場面がいくつもあり、今のことろ、考察大好き兄貴たちによる考察合戦が大絶賛行われている最中です。
7話がやばいという話は私も聞いていたのですが、ここまで作品の見方そのものを変えるレベルとは思ってなかったのでぶったまげました。



そして、このループ物であるという事実によって俄然、華恋の幼馴染である神楽ひかりという存在が重要になってきました。


神楽ひかりは1話の途中から、華恋たちのいる学園に、海外から転入してきます。華恋とひかりは子供の頃からの知り合いであり、小さな頃に見たスタァライトという舞台に感動し、ともにスターになろうという約束を交わしています。
ですが実は、このひかりは大場なながこれまで何度も繰り返してきたループの中にはいなかった人物であり、このアニメのストーリーから現れた異分子であることが強調されています。また、これまでのループでは華恋がレヴューに参加していた描写はないのですが、ひかりが現れたことにより華恋もレヴューに参加をするという明確な変化も起きています。
要するに、華恋とひかりの約束がななが行っているループに変化をもたらしている
という情報が提示されているわけです。それだけにそもそもレヴューとはなんなのか。また、ひかりはなぜ華恋たちのいる学園にあらわれたのか。
この辺りが今後の物語における重要な焦点になって来るでしょう。


正直、細かい考察をし始めるマジで数日あっても足りないレベルの情報量なので、今回はあくまでこういう情報が詰まっているアニメだというところで終わりにするのですが、このアニメの監督である古川知宏氏があの、幾原邦彦氏の直弟子であるという文字を見た瞬間に、まあ色々と納得しました。
このアニメのガワは非常にウテナっぽいです。ですがその一方でそれで終わらせない。ウテナの増産とは言わせない。という意気込みもひしひしと感じます。

とにかくこのアニメ、アニメというコンテンツが好きなら見ごたえ十分です

とりあえず一回見てください

それだけです。おしまい。