ミリオンライブのボイスドラマがびっくりするほどやばい

ということで、早速買ってきました
アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』 THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 14 CharlotteCharlotteです



アイドルマスターミリオンライブは2019年2月に6周年を迎えます。今から追いかけるにはたくさんのCDがすでに出ていて大変…という声も聞きますが、このMILLION THE@TER GENERATIONシリーズは、これまでのキャラクターが蓄えてきた事前知識などはほとんど必要なく楽しむことができます。
今回発売されたCharlotteCharlotteも、その例に漏れずこれ単体で楽しむことができますし、その出来に関してもマジヤバです。この手のCDに付随のボイスドラマって私はあんまり期待しない方なのですが、今回のはマージでやばいです。超面白い。同シリーズのこれまでの作品もすごいですが、今回もすごい。
以下に私の感想をつらつらと書いていきますが

めっちゃネタバレをします

なので、嫌だという方は聞いてからもっかいきてください。よろしくおねがいします。




















では行きますよ?

・ボイスドラマであることをフルで活かした物語
ストーリーと書きましたが、実際のところ今回のCharlotteCharlotteには大きなストーリー的な動きはなく、ものすごくざっくり行ってしまうと、病弱な少女シャルロットが義母との心の隔たりを埋めて大人になるまでの物語なのですが、これをアニメでも漫画でも何でもなく、ボイスドラマという媒体で書ききった事自体に意味があるなと感じました。
CharlotteCharlotteでは主人公のシャルロットが眠りから覚める場面がいくつかあり、その中で様々なシーンに彼女しか見えないシャーロットというキャラクターが存在します。他のキャラクターから見ると、シャルロットが一人でおままごとをしているように見えているのですが、今回の物語をボイスドラマで描くことにより、聞いている我々には物語の中における夢と現実の境界があやふやにさせる仕組みがあるように感じました。要は、シャーロットというキャラクターが本当に実在するのか、シャルロットの空想上の存在なのか、我々には視覚的に断ずる方法がない。というのがこの作品の大きなポイントの一つです。
ボイスドラマという媒体は、当然ですが音しか我々のもとに届く情報がありません。それをもとに場面を想像するしかない以上、得られた情報から場面を構築していきますが、その情報が作品世界における現実のものなのか、空想のものなのか。ここは聞き手の想像に委ねられています。明らかにアリス・イン・ワンダーランド的な世界をイメージしているなと思いましたが、そう思わせられた時点で、たぶん向こうの勝ちです。これに関しては。

・作品に出てくるアイテムの示唆性
この作品にはいくつかのアイテムが登場します

「野ばらのティーセット」
シャルロットの実母の形見として登場するこのアイテム。最初はシャルロットの家の屋根裏部屋に押し込められています。
野ばらには2つの花言葉があり、一つは「孤独」。屋根裏部屋でホコリを被ったこのティーセットは、まさしく実母を失い義母とも折り合いがつかないシャルロットの孤独を示すアイテムと言えるでしょう。しかし、最後にこのティーセットは義母によって修復が施され。シャルロットの手に渡ります。このときに生きてくるのが野ばらのもう一つの花言葉「純朴な愛」です。このような登場の仕方をすると、このアイテムは義母からシャルロットへの愛が込められたアイテムに変わります。これ気づいたときは壁に頭打ち付けそうになりした。
ちなみに、このアイテムはシャーロットが(おそらくシャルロットの空想の中で)修復を施すのですが、それに関しては最後の話にたぶんつながるので一旦置いておきます。

「エランティスの花畑」
ドラマパート最序盤に、シャルロットとシャーロットの二人と思われる(まあ多分そうだと思うんですけど)の会話の中に登場し、後に実際にシャルロットが屋敷を抜け出して足を運ぶ場所です。
この花畑も、ただの花畑ではなくこの物語の非現実性を浮かび上がらせるものなのじゃないかなと思います。
エランティの花言葉は「人間嫌い」。シャルロットがその花畑に実際に足を踏み入れたあと、少し休憩をしたという描写の後、一瞬で屋敷に場面が戻るシーンがあるのですが、ぶっちゃけ私はそこから次にシャルロットが目覚めるシーンまでまるまる夢の中だったんじゃないかなと思っています。
ランティスの花畑に行ったあとに、シャルロットを寄宿学校に行かせようとする義母に対してシャーロットが毒を盛るように言うシーンが来るのですが、正直アイマスじゃなかったら毒盛ってたなってくらい緊迫したシーンになっていました。人が嫌いな花の中で眠るシャルロットが見る夢としては、非常にマッチした場面になってるなと勝手に思っていました。もちろん、正解はわからないですけど
けれども、その中で結局義母の胸の内を直接聞いて毒を入れなかったからこそ、シャルロットは現実に戻ってこられたのではないでしょうか。

すずらんの毒」
シャーロットがシャルロットに手渡し、義母に飲ませるように言った毒です。
まあ、結局の所シャーロットも入れないだろうなと思っていて実はこれ毒じゃなかったんだよねテヘー。みたいなオチでしたが、これもなかなか、示唆性に富んだアイテムだと思います。
最終的に、シャーロットが渡した小瓶の中身はすずらんの香水だったわけですが、それを渡したシャーロットはシャルロットにお別れを言います。
すずらんにもいくつかの花言葉があるのですが、この場面におそらくぴったりなのは「再び幸せが訪れる」
義母と和解し、寄宿学校に行くことを決心するシャルロットに渡すアイテムとしてはぴったりなのではないでしょうか。新しい人生のステージに進むことを決意した人に渡す、お別れのアイテムと言えます。

ただ、ここでどうしても言及しなければならないのが、結局シャーロットって何者なんだよというところです。
シャルロットの空想の中に存在し、シャルロットが描く家族の絵の中にいる。野ばらのティーセットに義母よりも先に修復を施し、エランティスの花畑にシャルロットと一緒に行き、最後にはすずらんの香水をプレゼントしてその姿を消してしまう。
これ、外れてたらめっちゃ恥ずかしいんですけど

シャーロットは実は、シャルロットの実母だったんじゃないかなぁと思うんですね。

化けて出てきたというよりは、シャルロットが屋根裏で野ばらのティーセットを見つけたときからしれっとシャルロットの独り言に入り込んでくるという登場の仕方だったので、このアイテムにゆかりの深い人物なのかなと思います。野ばらのティーセットにしても、義母は技術者による修復を施しますが、シャーロットは「月の明かりを掬って…」とか言うかなりメルヘンな直し方をします。ここからも、この野ばらのティーセットがもともとどんな形だったのかを知っている人物であると関連付けが可能です。
そのうえでここまで話してきたことや、特に最後のすずらんの小瓶を渡すことでシャルロットの新しい世界での幸せを願う人物は…?と考えると、可能性はおそらく一人しかいないのではないでしょうか。
ドラマを聞く前に、亜美真美が登場すると知って、あーはいはい双子的な存在かな?と思っていたのですが、いろいろ情報を統合してこの結論に至ったときは正直自分でも本当にそうか?と思いながら部屋の壁を殴ってました。
ぶっちゃけると、なんかまだ穴がある考察に思えてくるので、ばんばん色んな人の話を聞きたいなと思っているので、自分でもちょっとこんな感じの考察がないか探してきます。

といった感じで、ボイスドラマ一本でここまでかけちゃうのがMILLION THE@TER GENERATIONシリーズのすごいところです。だからさぁ、ほんとさぁ…



頼むぞ月曜日のクリームソーダ…おれをうならせてくれ…

おしまい!解散!