虹ヶ咲学園アニメーション研究会活動報告 その5

どうもこんにちは。ぬこもやしです。
ではいつものヤツ、やっていきましょう

今回はトピックを一つだけ、初めてタイトルの通りにフィールドワーク(フィールドワークとは言ってない)の報告をしていきます。


・劇伴がやばすぎる
既に気づいている方も多いと思うんですけど、アニメ虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はストーリーの構成、演出、OPED、あらゆる要素が頭のおかしいクオリティになっているのですが、劇伴も頭がおかしいです。はっきり言って、変態が手掛けています。

5話も序盤からエマ専用と思われる曲から始まったりしていますが、個人的にビビったのはAパートラスト。エマが果林の部屋を訪問して、服飾部に話をつけてくれてありがとうを言いに来るシーンです。

ここから


ここまでですね。


夜の学生寮という、静かなシーンにふさわしいピアノのみの音で、エマと果林の何気ない穏やかな日常の1ページという雰囲気で、しっとりとした気持ちにさせてくれます。
しかし、途中でエマが果林にスクールアイドルを一緒にやろうと声をかけたところで、果林の何らかのスイッチ(後で強がりだったとわかるのですが)を踏んでしまいます。そこから音に弦楽器が加わり、静かな雰囲気はそのままに少しの不安が加わります。
本当に、この二人らしからぬ緊張感が漂い、息をのんでみていましたが、このシーンの音楽の進行があまりにセリフとぴったり過ぎたので、ツイッターで「もしかしてこのシーンのために作ったんですか…?」と空中に投げたところ




作曲された本人から返事が返ってきました。
いや、さすがにびっくりして部屋の中で横転してしまいましたね…

映画音楽の制作手法の一つに「フィルムスコアリング」というものがあります。
すでに出来上がった映像に対して音楽を作っていくという手法です。この手法のメリットは、「音楽による細かい心理描写」や「見ている人の心理を誘導する」ことができる点です。
同じシーンであっても、音楽が変われば印象はがらりと変わります。それを狙った心理の誘導などができるのが大きな特徴です。
もちろんデメリットは、絵に合わせるという制限がかかるということです。要するに、大きなテーマのもとで自由な尺で作ったりはできないということですね。
アニメの劇伴は、サウンドトラックなどを聴くとわかると思うのですが、ある程度「こういうシーンで使いたい曲」というテーマの下で複数の曲が制作され、シーンに応じてどれを流すか決めていることが多いはずです。虹ヶ咲でも、よく流れるというかほぼ毎回使われている曲がありますよね。普通、アニメの劇伴はそういった流れで作られますが、このシーンの曲は明らかに異質でした。

もちろん、遠藤さんのツイートをしっかり読めば、完全なフィルムスコアリングでないことはわかります。いやむしろ、わかっちゃうからこそこの作品のスタッフの変態度がわかるといいますか。作曲家が特定シーンのセリフ回しを想像しながら書いた曲とかいう、ほかで使えなさそうな曲にOKを出しつつ、それを不自然にならないように少しだけ編集して使ってるって…
いやあのね…こだわりすぎですって本当に…

という感じで、劇伴についての調査報告でした。


・次回の天王寺
来ちゃいましたね…天王寺回…



天王寺に関して、5話で明らかになった話があります。気づいてました?
「同好会が公開してる映像周りは、天王寺加入後は天王寺が主に作成している」という設定です。
6話予告でもバケモンみたいな音響設備の自室(と思われる部屋)が出てきていましたが、この子バキバキの理系で且つ映像制作や音いじりもたぶんできるってことなんですよね。
それが天王寺回と何の関係があるんだよという話なんですが、同好会のPVを天王寺が作っているということは

みんなの笑顔を自室で一人、何回も見ている

ということです。
映像制作をやったことのある方ならわかると思いますが、どんな簡単なものです数分かそこらで終わるものではありません。しかも、作成中はずっと素材となる映像とにらめっこすることになります。
前回のブログでも言及しましたが、天王寺は「表情を作るのが苦手」です。そんな彼女が、表情豊かな同好会メンバーの笑顔をずっと見ているのですから、何も思わないはずはありません。
その証拠が、5話Cパートのラストですね。エマ先輩の笑顔の目の前で、だれがどう見てもわかるごまかしを言いながら伏し目がちになる天王寺の対比が、とんでもなくえぐいラストシーンになっています。

自分は表情を作るのが苦手。しかし、これからスクールアイドルとしてやっていくために克服しなければならない。そんなプレッシャーを抱えながら、同好会みんなの表情を一人で黙々と作業をしている間ずっと見せつけられている。
果たして、次回どんな話になるんでしょうね…

とりあえず、タオルは用意しておいたほうがよさそうですね。

ということで

次回!ぬこもやし死す!
デュエルスタンバイ!