劇場版Wake Up, Girls!青春の影を見ました。感想を言います。

Wake Up, Girls!とは、仙台を拠点に活動する7人のアイドル達が様々な困難にぶつかりながらも、夢に向かって成長していく物語。
これまでに劇場版「7人のアイドル」やTVアニメで、なんやかんやあって東京で活動するためのきっかけを得るまでに成長しました。
こんくらいのあらすじとキャラの名前と顔をちらっと見ておけば、現在上映中の続・劇場版『青春の影』を見てもとりあえず置いてきぼりを喰らうことはないと思います。

ということで、うっかりこのページを開いてしまった方向けの話はこの辺までにして、以下からは

ネタバレ注意!

で行きます。ここからはすっごいネタバレします。それはダメだという人は一旦ページを閉じて、映画を見てからもう一回来てください。では、イクゾッ(イケボ)



































WUGらしさとは何か。
アニメの方から問いかけてくるとは思いませんでした。たしかにそれは向き合わなければならない問題なんですよね。2次でも3次でも。

今回の劇場版ですが、先日放送されたTVアニメシリーズとは何だったのかってくらい、これといった大きな隙のない、バランスの良いアニメ映画として仕上がっています。

作画は非常に良いです。引きの画面でも崩れず、町並みや一般通化モブもしっかりと書き込まれています。また、口パクもプレスコ(先に声を収録してそれに合わせて絵を動かす手法)か?と思われるくらい声と絵がピッタリとあっています。非常に丁寧に作られているなということが作画面だけでも大幅に進化しています。雀兄貴迫真の演技シカ見どころがなかった時代はもう終わりました。

音楽は言わずもがな。新曲の少女交響曲を始めとして、劇伴もMONACA田中秀和さん、広川恵一さんらが中心となって作成されています。オタク大満足の良質なものがそろっていますよ。ちなみに、BDには特典としてサウンドトラックが封入されています。なんかよくわかんないMIXメドレーもありますけど、それもまぁいとをかし。

ストーリーはどうでしょうか。コレも、アニメ版とは打って変わって登場人物のキャラ付けに
毒のない感じになっています。ただひたすらに何もせずそこにいるだけだった松田や、視聴者のヘイトを稼ぐ丹下社長はもういません。むしろ松田に関してはTV版の頃から大きく人間的に成長した姿を見せてくれています。WUGちゃんの成長物語だと思ったら松田の成長物語でした感は若干あります。
初見さん向けにもキチンと配慮があり、初めてWUGのアニメを見ますって言う人でも(一応)大丈夫な作りになっています。最初のカルロス鴨田の雑な確認が程よくキャラ紹介担っていますし、ストーリーもそれとなく分かる作りになっています。初見の方でも(一応)安心です。でもまあ、可能であれば過去作も見てください。彼女たちがこれまで刻んできた軌跡を知ることでぐっとくるシーンもたくさんあるので。一番泣いたのが仙台のテレビ局の人たちのセリフってどういうことだよ。ゴイスな番組ディレクターに一番泣かされたわ。
TV版では味方をしてくれるまともな大人がいなかったのに、少しずつWUGちゃんを認めてくれている大人が増えてきている描写に涙を流さずに入られませんでした。

という感じに結構いいことは書いたのでここからは本編後半のカルロス鴨田ばりに手のひら返していきます。

本当に、今回の劇場版はこれまでのWUGのアニメとは何だったのかってくらいきっちりとまとまっていますが、前後編の分け方が本当に納得行かないです。
今回上映されている青春の影は50分程度の作品で、料金は一般1200円です。最初は安いと思いました。蓋を開けてみれば、前編はあくまで後編のための種まきであり、前編で提示された問に対する答えやWUGちゃんの成長、成功といった描写はほとんどが後編に丸投げされました。元々は一本で100分前後の映画のつもりが納期の関係で少しシーンを足して分けることにしたのでは?ってくらい前編は種まきで終わってしまいました。
後編を楽しみにさせるという効果もあるとは思いますが、この映画は1回見るのに1200円ではなく実質2400円では…?

アニメの内容以外では、WUGらしさとはなにか。アニメでも問われていましたが、本当にそこを探っていくべきなのではと感じました。
WUGは2014年1月に劇場版およびTVアニメが公開され、それ以来2次元と3次元の両方で活動を行ってきました。
山本寛監督は「ハイパーリンク」をキーワードとして、2次と3次のどちらかではなく互いが互いに魅力を持って高め合う。どちらかが先に行ってももう一方もそれを追いかける。そんなことを言っていました。
事実、最近のWUGは3次元が圧倒的に先に行き、今回の劇場版でようやく2次元も長い雌伏の時を経て、今回久しぶりに新たな展開をスタートさせました。
結果として、2次元と3次元、どっちがメインでどっちがもう一方のドキュメンタリーなのかわからない程度にはうまーく相互に補完しあっている状態が生まれていると思います。
ただ、それだけに今回の劇場版ではやたらと3次のキャラが2次に輸入されているように感じました。よっぴーとかもはや別人で七瀬なんだか青山なんだかわかりませんね本当に。
この試み自体は、かなりWUGの大きな売りではないかと思います。ここまで正面切って2次と3次を別物ではなく混合させて押し出そうとするコンテンツは他にはあまりないのではないでしょうか。アニメが好きな人も声優が好きな人も、それぞれの切り口から入れるような仕組みが出来上がればWUGはまだまだ大きくなれると思います。
しかし、今回は正直結構滑ってましたね…ハイパーリンクと言うよりはざっくりとしたストーリーの中で出来ることはという感じで、2次が3次に擦り寄って来ているだけのように感じました。テレビアニメ絵では差別化が希薄だった部分を、3次から設定を輸入することでキャラ付けを濃くするというのは非常に難しいバランスだとは思います。ともすればただのトレースになってしまいますからね…
ですが、最近の2次元アイドルコンテンツ戦国時代で生き残るには、WUGらしさ。WUGでしか見られない何か。コレを確立しなければいつかは消えていってしまいます。初見の人も取り込めるようにしなければならない一方で、積み重ねの中で成長したり深めていかなければならない部分もあります。両方がうまーく機能する塩梅を見つけられるように、ワグナー諸兄も頑張っていきましょう。

こんなこと言いながら、封切りの朝一に並んで8000円のシアター限定版を見る前に買うんだから私はもうダメですね多分。
まだしばらくWUGからは逃れられそうにないです。
でもいいんです。みにゃみが声優として大きくなっていってくれればそれでいいんです。
夢を見られず、疲れきった現代の日本人が代わりに夢を託す、唯一無二の存在。それにWUGちゃんがなれれば良いんです。

そんな感じで今回はここまでにしましょうかね。

こうへんたのしみですねー
早坂さんの曲が売れたのではなく、WUGの力で認められにはどうすればいいのか。
WUGとはなにか。WUGらしさとはなにか。どのような答えを出してくれるのかは、12月の後編を待つことにしましょう。
けど公開日12月11日ってお前wwwwwwwwwwwww次の日幕張でWUGの大規模ワンマンライブやんけwwwwwwwwwwwwwwwwww見ないでいけるわけ無いでしょアホかwwwwwwwwwwwwwwwwww絶対ネタバレ喰らうでしょそれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


おわりだよ~(●・▽・●)



追伸
これからはVENUS PROJECTも熱いと思います。