ミリオンライブの今後の可能性と危険性について 〜ミリオン3rd名古屋公演から見えたもの〜

まずは、ミリオンライブ3rdライブツアー名古屋公演、お疲れ様でした。
相変わらずのチケットを戦争を乗り越えて現地に参加できた方も、諸般の事情でLVだった方もあるいは参加すらできなかった方まで。いろいろあるかと思いますが、まずは大事なく3rdライブツアーの初日を終えられたことが一番かと思います。



名古屋公演のセットリストやその他細かなレポはおおよそ他の方がたくさん書いてくださっているので、まずは私の感想から。
今回最も心を揺さぶられたのは、大神環役の稲川英里さんでした。個人の曲だけでなく、ユニットを組んで参加した曲や最後のMCにいたるまで、まさにステージ上に環がいる。そんな風に感じることができました。終演後のツイッタートレンドに上がるなど、多くの方が同様の感想を持たれたことの現れでしょう。

私はLTDイベントで見たことはあったのですが、周年ライブ初登場の渡部恵子さんや桐谷蝶々さんも、ステージパフォーマンスだけでなく、キャラクターをステージ上に降ろすという、アイマス特有のシャーマン的な力を遺憾なく発揮してくれました。最初のMCでいきなり泣きそうになるちょっちょさんも、それをフォローしたけど最後には崩れてしまった恵子お姉さまも、本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

あとは個人的な話なんですが、私実はアイマスSSAが初参加のライブだったんですよ。そこで、藤井ゆきよさんのアフタースクールパーリータイムを見ていました。緊張とプレッシャーでガタガタのあのステージから、今回ですよ。自分の曲だけでなく、「ジレるハートに火をつけて」では今回参加した灼熱少女組の3人をまとめる、所恵美としての貫禄まで見せつけてくれました。私はなんか泣いてました。




さて、ここからがタイトルの内容です。
昨日の名古屋公演を初日としてスタートしたミリオンライブ3rdライブツアーですが、これには今後のミリオンライブが見せてくれる、新しいステージの可能性がたくさん詰まっていると感じました。

今回のライブでは、ユニット曲だけでなく、様々な曲で、本来のメンバーから歌う人を変えたセットリストになっています。
これを見て思ったのが

「あ、これはミリオンシアターの公演だ」

というものです。
これまで公開してきた曲を、誰か一人の曲というものではなく、ミリオンシアター全体の曲として、その時その時のメンバーに合わせて歌う人を変える。
ミリオンシアターという劇場ならではの公演をやっているのではないかということです。

これをやることにより、誰がいるからこの曲はやらないだろうという先入観をぶち壊し、来てくれた人に「こんな組み合わせがあったのか」という新しい衝撃を与えてくれる可能性が生まれました。
今回のスマイリングクレッセントやエターナルスパイラルなどは、特に印象的な組み合わせの破壊をしてくれたように感じます。
場合によっては765ASの席だろうと使うことが出来るのは、大きな強みになるでしょう。

また、この試みは我々にも大きな影響があります。事実、終演後のTLでは◯◯と◯◯の組み合わせであれが聞きたいこれが聞きたい、という願望がそこかしこにあふれていました。
これまで、自分の想像やいいとこ二次創作とまりであったもしもの想像を公式が積極的に叶えてくれるかもしれない。これは大きな進歩であり、今後のミリオンライブが、数あるアイマスコンテンツの中でオンリーワンとなれる大きな可能性だと思います。

そもそも、アイマスは自分がプロデュースしているキャラに歌わせる曲を選ぶことができます。
自分がプロデュースする◯◯ならこの曲をどう歌うか。あるいはどんな風に自分のものとするか。アイドルと曲の組み合わせと、そこに付随するストーリーを、プロデューサーの数だけ広げることができるようになります。

ミリオンにもこういった純正のアイマスらしい要素を加えつつ、シアター制というミリオンライブとしてのオリジナルを伸ばしていく準備がついに終わった、ということを示すライブツアーなのかもしれませんね。


しかしこの、シアターライブ制は実は結構危険性も潜んでいると思います。
まず、この組み合わせの破壊をした上で「アイマスらしさ」を表現するには、演者さんが自分たちのキャラと向き合い、「◯◯ならこの曲をどう歌うか」というものになんらかの答えをだし、さらにそれをステージ上で披露する必要があります。これはそんなに簡単なことではありません。正解があるものでもないので、なるべく最大公約数的な答えを出しつつ、さらにオリジナルも追わなければならない。特に、キャラによってはこの解釈をどのように捻り出すか難しいキャラも少なくありません。例えば、矢吹可奈は結局歌は上手くて良いのか悪いのか。年齢が微妙ゆえ、曲の意味を理解しているのか否か。そんな微妙な問いの答えを提示しなければなりません。だからこそ、ステージ上で様々な表現が出来る木戸ちゃんが選ばれたのかもしれませんが…

ですが、これまでそれをやっても良かったのにあえてやってこなかった。そして、今回のライブからこの手札を切ってきたというのは、つまり3年経ってようやく準備が整ったということかもしれません。これからがミリオンライブの本当のスタートなのかもしれません。
けどまぁ、今回が初出演の人もまだまだいるので、答えが出るのはこれからですが…

それから、さっきも書いたように、「◯◯ならこの曲をこう歌う」という感情に正解はありません。また、ステージから提示された答えが見るものに届かなければ、ともすれば「これは◯◯の曲なのに、奪われてしまった…」と感じる人も出るかもしれません。
ただ、シアターライブ制を取り入れた以上、今後はこの流れが本流になる可能性は大いにあります。なので、残念ながら、ユニットメンバーが足りないから、他のキャラを入れられることそのものに抵抗がある方は、なるべく早めに別の切り口を探すのがいいかもしれませんね…
一応補足しておくと、ミリオンは中野の頃からユニットメンバーが一人もいなくてもココロがかえる場所を歌いました。つまりそういうことですね?

え?じゃあミリオンライブを楽しむにはこれまでの曲全部聴かないといけない?敷居上がってない?という意見もあるかもしれませんが、正直私はそうは思いません。
アイマスというコンテンツとの関わり方は人それぞれであり、プロデューサーの数だけアイドルとのストーリーがあって当然です。なので、自分がこれまで積み上げてきた思いをさらに広げてくれる可能性がある。と思えばいいのではないでしょうか。
よくわからない組み合わせであまり聞いていない曲をやられてしまった…ということであれば、それはチャンスです。それをキッカケにさらにアイマスの世界に入り込む間口を、ミリオンライブの公式が与えてくれているという風に考えれば、決して敷居が一方的にあげられた、ということはないでしょう。



このように、今回のライブでは、ミリオンライブが今後やりたいことを提示してくれたように感じました。
このシアターライブ制は、大きな可能性と若干の危険性の両方を持ち合わせていると思います。

しかし、この仕組みを例えばゲームになんらかの方法で組み込むことができれば、ゲームの方も大きく動くことができると感じました。
アイドルと曲の組み合わせを自由に広げられる、あるいはそれに準ずる何らかのシステムを作ることができれば、アイマスとしての流れを汲みつつ、ミリオンライブだからできることが始められるのではないでしょうか。
L4Uみたいな、こうなんでしょうね…今すぐ歌って踊る据え置きゲーは難しいだろうから、なんかこう…わかんないですね…

そんな感じで、今後のライブツアーにも俄然目が離せなくなりましたね。というところで、今回は締めたいと思います。
プロデューサーがそれぞれに積み重ねた思いと、公式の提示する組み合わせとが取っ組み合いのバトルをするようになる今回の新たな試みが、上手くいってくれることを願うばかりです。

私の次の現地参加は福岡の予定です。福岡でお会いできればとおもいます。
それではこの辺で。



ディレ1が退職とは…
いろいろと思うところはありますが、まずはおつかれさまでした。

あとLTD05のリリイベ当たってくれまじで